システム管理デーモン
システムがブートして、OSを起動後に最初に起動されるプロセス(PID=1)を、UNIX/Linuxの世界では「init」と呼んできました。今日では(例外はあるものの)その役割自体はsystemdパッケージが担うのが一般的です。
systemd
- Lennart Poetteringらが2010年に開発を開始したSysV initの後継パッケージ。起動速度、メンテナの調整のしやすさなどが特徴。色々と物議も醸したものの、結果的には大多数のメジャー・ディストロが採用しています。
- systemd – 公式HP(@freedesktop.org)
- Systemd – Wikipedia
- Rethinking PID 1 – Lennart Poettering (@Pid Eins)
- 開発者として、SysV initの限界や開発の狙いなどを説明したブログ記事です。
- Debian 8: Linux’s most reliable distro makes its biggest change since 1993 – S. Gilbertson (@Ars Technica、2015年)
- Debate initsystem systemd (init systemに関するディベート) – Debian Wiki (2014年)
- Debianが2015年にsystemdにスイッチする前のディベートの様子(こちらはsystemd推進派のもの)。
- Why did ArchLinux embrace Systemd? – reddit (2017年)
- スクロール・ダウンしていくと、Archのinitスクリプトの元メンテナ(2brainz)によるまとまったコメントあり。実感がこもっていて興味深いです(initスクリプトのメンテナはそれ以前は色々苦労していた様子)。
- Archlinux is moving to systemd – Archlinux 公式BBS (2012年)
その他のinit system
- Linuxらしいと言うべきか、OSの起動時にsystemdを使わない手も当然あります。主な代替的な選択肢(元祖SysV initを含む)に関するリンク集です。
- init(Unix) – Wikipedia
- 元祖ではあるものの、Linuxでは絶滅危惧種に。MX Linuxがデフォルトとして採用(MX Linuxはsystemdも利用可)。
- SysV init – 公式Project Page(なかば遺跡化)
- SysV init – Init’s alive! – Jesse Smith (@DistroWatch.com) [March 2018]
- DistroWatch.comのJesse Smithが約8年ぶりにupstreamにパッチを当てようとしてるという内容です。
- OpenRC: [ 公式HP, 公式Wiki ] – Gentoo Linux公式
- NetBSD系の開発者が当初の開発を主導し、Gentoo Linux(systemdも使えますが)等が採用していることで知られます。
- runit – 公式HP
- (メジャーなディストロではありませんが)Void Linuxがデフォルトとして採用。
- s6 – 公式HP
- Re: Is missing SysV-init support a bug? – Russ Allbery(LWN.net)
- Systemd VS OpenRC – IWF1